東和男東龍日聯(丹陽)企業管理有限公司総経理に聞く

中国でお仕事されるようになったきっかけは?

会社(トヨタ自動車)には40年いましてね。中国の仕事は20年前から。前はヨーロッパにいたけど、中国でやりたいと言って。理工だけど、中国が好きで、漢文はいつも100点だったんですよ。最近は新幹線で北京へ行ったり、南京へ行ったり。北京・上海に行けば、トヨタの人が迎えに来てくれます。

40年以上トヨタに勤めていたので、いまだに関係があります。トヨタの関係でいろんな人に会いました。昔は偉い人にもたくさん会いました。そのときの人脈が生きています。いま、偉くなっている人もいます。上海には10年、日本人会の副会頭もしましたから、日中双方の知り合いが増えました。

最近の日本の中国ビジネスはいかがでしょう?

10年ぐらい前から電機・造船は危ないと言っていたけれど、四輪車も実は危ない。順調に見えても、実際は岐路に立っています。5年前に感知して、パッパッパッと動かなければなりません。(国内の)自動車部品はあと数年でだめでしょう。けれども、日本へ帰っても、そういう雰囲気はまったくありません。

JAPICについてお聞かせください。

いま、第1期ですが、第2期は需要があればやります。(最終的に)400社ぐらい集めたい。中小企業はやっぱり弱いですから、メダカが10匹じゃ話になりません。やっぱり400匹ぐらいにして小アジになってクジラに対抗しないと。中小の企業集団ですね。

中国の中小集団は、500社から2000社です。ですから、20社じゃ生存域に入らない。最低100社です。僕が招商を始めて2年ですが、早急に100社へもっていきたい。

JAPICのサービスや優遇政策についておしえてください。

3年間は家賃無料です。中国の経験がない、言葉も法律もわからない企業さんをサポートします。直接の業務(生産)は企業自身でやっていただきます。やる気があって、海外へ出たい企業はJAPICへ来てください、ということですね。

入居されている企業についてはいかがですか。

オーナーの息子が来ているところもありますよ。オーナーに言いました。「息子を叩き上げたいなら、ここに寄こしたほうがいいよ」と。「日本にいたらのほほんとしていられるけど、ここにいたら(ひとりでは)タクシーにも乗れない、ごはんも食べられない」と。

(マーケットの縮小を受け入れるのだったら)日本にいればいいわけです。四輪と言えども安泰じゃない。二輪の歴史を見ればわかる。イギリスにはいま、クルマの会社は1社もない。ジャガーもランドローバーもインドにタダで買われた。ミニはドイツに買われました。

日本はいま、イギリス化していってるから、必ずああなります。そうではなくて、ドイツ化してほしい。ドイツは3社で日本は7社ですが、フォルクスワーゲンの傘下にアウディ、ポルシェもある。フォルクスワーゲンは1984年に中国市場に進出しましたが、一時は中国市場の53%を占めていました。サンタナは8万元、シャーリー(ダイハツシャレード)は5~6万元でした。

今後の日本経済をどうご覧になっていますか?

日本の国はよくなりませんね。政府はお金ばらまいているけれど、借金は増える、貿易赤字は増える・・・2020年までもたないでしょうね。

円はガタ落ちだし。日本に来る人は喜ぶかもしれませんがね。円安になっても、日本の市場は拡大しません。クルマも然りです。しかも、中身が悪くなっている。若い人の初任給が20万円とか、20年前と変わらない。上海で日本車を探すのは大変。遠い外国の企業に負けるのか?だから、ここをつくったわけです。

いま、日系自動車関連の中国事業はどうでしょうか?

小さな部品の47%は日本から持ってきますから、コストがかかります。コスパが悪くなっています。日中関係の悪化だけじゃないんです。韓国、欧米のクルマは5~6万元からある。日本のクルマは1割以上高い。それは、(部品製造会社が)中国に来ていないから。ですから、生産は各社にしていただきますが、あれが困る、これが困るという部分をJAPICがサポートします。

中国市場はASEAN全域の6倍強、日本市場の4倍ですよね?

2013年の中国自動車販売台数は2200台、EU27ヶ国の2倍です。僕は、3000万台市場になると思ってます。日本は、本気でこれを捨てる覚悟があるのか? 2020年までに、自動車の世界市場は1億になります。その3分の1が中国ですよ。ベトナムはマレーシアの2割で11万台。中国市場の200分の1、中国の1日半の市場でしかありません。

2014年4月22日 丹陽市日本自動車部品工業団地にて(聞き手: 加藤)

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